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平成元年(1989年)から、日本の古典作品を、原文と英語訳で、源氏物語・枕草子・徒然草・平家物語・雨月物語・奥の細道・方丈記、などを輪読しながら講読しています。
講座の特徴は、古文や漢文を英語訳と比較・対照しながら読むことで、二つのコトバによる『古典』の世界を味読できるようにしています。
一人では完読がむずかしい古典作品を、一緒に読んで楽しみたい、と思っています。
◆高校生・大学受験生を対象に、『論語』の漢文をテキストにして、基本的な漢文訓読法を学習し、併せてその英語訳を読んで、漢文と英語の読解を同時に学習をします。
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養和の飢饉の続きを読みました。長明27歳での出来事です。左京の路上だけでも4万余人の遺体。鴨川べりは遺体で埋めつくされた。物資の供給を地方に依存する京の生活の脆弱さを指摘。金銀財宝と粟の価値が逆転してゆく惨状を分析。飢饉を描くに留まらない大局的な記述で非常に読み応えがありました。
福原遷都と養和の飢饉を読みました。今でいうツイッターのような記述の数々。暴挙といえる遷都は大不評。武士への憧憬なのか何なのか装いも乗り物も武士気取りを奨励する清盛。京の人々は福原の風土に馴染めない。山が迫りすぎとか潮風が臭すぎとか潮騒がうるさすぎとか散々。野球の応援歌でしか知らなかった六甲おろし…不快なのか。淀川は解体した住宅建材で埋めつくされ、それは果たして持ち主の元に届いて新都の住まいになるのだろうか?とツイートする長明。同年内にあっけなく都が戻されると翌年は干ばつ、洪水、そして養和の飢饉に見舞われる。長明27歳(※執筆は58歳頃)。
皆勤受講して読み終えることができ嬉しいです。先生とアシスタントのキリエさん、受講者の方々に感謝。有名な冒頭文からどんな展開をしてどんな結末になるのか毎回楽しみでした。短い随筆ながら色々な要素があり読みごたえがあります。この講座ではさらに英文でも読むことができます。結末は意外でしたが鴨長明らしさともとれフフフと思いました。と同時に終活のお手本として方丈記に憧れを抱いていたのですが、庵での生活は暮らしに困らない先祖伝来の収入源があったようで…憧れからは遠ざかりました。資料があれば鴨祐兼の処世術を知りたいですし、機会があれば無名抄や発心集も読んでみたいですし、来年は瀬見の小川を訪ねたいものです。